モカブル、シードで総額1.5億円を調達 北米法人強化とグローバル展開、製品開発に充当

概要
発表は2025年10月7日。株式会社モカブルはシードラウンドで総額1.5億円を調達し、出資者はGenesia Venture Fund 4号投資事業有限責任組合、サントリーホールディングス株式会社、みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合、Kconイノベーション1号投資事業有限責任組合。累計調達額は未公表で、資金は主力プロダクトの開発・販促、北米法人の組織強化、原産地への開発投資とグローバル展開に充当する。
3会社の概要
株式会社モカブルは、サントリーグループの社内ベンチャー制度「FRONTIER DOJO」を経て独立したスタートアップで、「コーヒーを“食べる”」という新カテゴリを打ち出す。コーヒー豆をまるごと微粉砕して用いる設計により、抽出では取りこぼされがちな成分まで活用する発想を採り入れ、体験価値とサステナビリティの両立を志向している。日本法人は2025年4月に設立され、同年7月には北米法人を設立、ブランド名を「MOKABLE」に統一して日米で展開していると説明されている。

同社は消費者向け販売に加え、パティシエやレストランといったプロフェッショナル領域での活用も視野に入れている。2025年10月3日公開の案内では、伊勢丹新宿店での期間限定出店を告知し、定番のキャレ商品やコラボスイーツ等を提供するとしており、実店舗での接点づくりと検証を並行して進めていることがうかがえる。
4) 今回の資金調達の概要
本件はシードラウンドによる総額1.5億円の資金調達で、手法(第三者割当増資や融資など)の明記は未公表。出資者はGenesia Venture Fund 4号投資事業有限責任組合、サントリーホールディングス株式会社、みずほ成長支援第5号投資事業有限責任組合、Kconイノベーション1号投資事業有限責任組合で、ジェネシア・ベンチャーズがリード投資家である旨が示されている。過去ラウンドの条件、株主構成、評価額や払込日の詳細は一次情報の範囲で未公表であり、関係構築の経緯も同様に未公表となっている。
5) 今回の資金調達で実施する内容
資金はまず製品の品質向上とバリエーション拡充に投下され、得られた成果をECやポップアップでの顧客体験に接続し、日米でのブランド認知を押し上げる。並走して北米法人の組織を強化し、流通・提携の獲得を進める計画だ。さらに原産地への開発投資により供給面の安定と持続可能性を高める方針が示されている。編集部の見立てとしては、短期ではポップアップとECの転換率や客単価、中期ではLTV/CACやリピート率、長期では原材料調達の安定性と粗利率の改善が主要指標になりうる。
6) 公式サイト、求人サイトを差し込み
事業の全体像と最新情報は公式サイト(https://www.mokable.jp/)で確認できる。今回の出店や商品情報の詳細はリリース本文に記載されており、採用に関する専用ページの案内は一次情報の範囲では未公表である。
7) 編集部コメント
「コーヒーを“食べる”」という定義の更新に、モカブルの面白さが凝縮されている。抽出前提の体験設計を離れ、豆をまるごと活用する発想は、味わいと栄養成分の取り回し、さらにはサステナビリティの文脈まで同時に射程に入れる。日米でブランドを「MOKABLE」に統一し、D2Cと実店舗ポップアップで検証しながら、プロフェッショナル領域への応用余地を広げていく構図も筋が良い。産地への開発投資を掲げる姿勢は、単なる菓子・スイーツの企画を超えて、原材料と体験の両輪で価値を積み上げる意思表示に見える。
出典:株式会社モカブル『コーヒーを“食べる”「モカブル」 総額1.5億円の資金調達を実施』(2025年10月7日)、『コーヒーを“食べる”「MOKABLE(モカブル)」伊勢丹新宿店に期間限定出店』(2025年10月3日)ほか https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000168906.html, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000168906.html, https://www.mokable.jp/
