emole、デット6.9億円を追加調達し累計18.5億円に ショートドラマBUMPの海外展開と制作体制の強化を推進
発表は2025年10月10日(日本時間)。emole株式会社は静岡銀行など7社からデットファイナンスで6.9億円を調達し、2024年2月のシリーズAを含む累計調達額は18.5億円となった。資金使途は「海外展開」と「コンテンツ拡充」に加え、視聴体験を高めるプラットフォーム基盤の強化が示されている。

会社の概要
同社は「創造で挑戦できる世界へ」を掲げ、1話1〜3分のショートドラマアプリ「BUMP」を運営する。2022年末のローンチ以降、2025年9月時点でダウンロード数は250万を突破し、公式アカウント発の切り抜き動画再生回数は累計30億回に達した。収益面ではGMVが前年比約200%で成長したと説明しており、視聴課金97円、広告視聴、「待てば無料」を組み合わせた設計でユーザー層の拡大を図る。
2025年はサービス提供地域を100の国・地域へ広げ、韓国・米国での現地制作にも着手した。クリエイターへの収益還元額は累計1億円を超え、プラットフォーム運営と自社制作を併走させるモデルで、持続可能なクリエイターエコノミーの構築を掲げる

今回の資金調達の概要
今回の資金はデットファイナンスで、出資・融資の詳細な条件やバリュエーションは未公表である。資金提供者としてSiiibo証券、株式会社静岡銀行、株式会社日本政策金融公庫、株式会社東日本銀行、株式会社北國銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社山梨中央銀行の名が挙げられており(五十音順)、金融機関と連携したショートドラマ制作の取り組みも開始したと記されている。累計調達額18.5億円には、2024年2月のシリーズAによる資金調達が含まれる。
今回の資金調達で実施する内容
まずは制作ラインの拡充で作品供給の量と質を同時に高め、視聴アルゴリズムやレコメンドの改善を通じてアプリ内の出会いを最適化する。次に、韓国・米国での現地制作やマーケティングを強化し、グローバルでの配信体制を整える。最終的にはプラットフォーム基盤の改良で視聴体験を滑らかにし、クリエイターの参画と収益化を促進する意図が示されている。
公式サイト、求人サイトを差し込み
企業情報は公式サイト(https://emole.co.jp/home)に整理されている。
ショートドラマを配信したい事業者・個人向けの案内は「BUMP for CREATORS」(https://lp.bump.studio/forcreators)が入口として案内されている。
編集部コメント
ユーザーの視聴行動に合わせた短尺設計と、自社制作を含む供給体制のハイブリッド運営は、海外展開と基盤強化の両輪がかみ合った時に伸びしろが広がる。金融機関と連携した資金・事業面の布陣は、制作キャパシティとプロダクト改善を一段押し上げる下支えになるはずだ。クリエイターや事業者にとっては、配信トライアルや共同制作の打診から関係を作る好機に見える。
